株式会社きんぱら
バーズ゙アイメープル

神から与えられた自然の芸術品

木質素材の最高峰、バーズアイメープルはまさに銘木。大理石は言うに及ばず、その輝きはダイヤモンドにも劣らないとまで言われています。その魅力を言葉で伝えることは私にはとてもできませんので、ある研究者の論文をご紹介させていただきます。

起源
 

 なぜバーズアイという現象がほとんどメープルにだけ発生するのか? また、どうしてこのような埋没したとげが、まるで熱狂した画家の筆先から飛び散った絵の具のように、あるときは木の片面にだけ、またあるときは全体にと散らばっているのか? なぜ?−その理由はだれにもわからない。
 渦巻状の突起がどのようにして形成されるかという理論は、その形同様に様々である。ある研究者たちは、それは形成層(新しい細胞を作る樹皮と木部の間にある薄い層)を犯した寄生性のキノコの仕業であると考えた。また、別の研究者たちは、木がまだ若い頃に受けた虫や鳥による傷がくぼみや溝になり、それが長い間に木の成長に伴う新しい層によって埋められてできたものだと考えた。
 しかし、これらの説では完全に説明できない。なぜなら、普通、木の生きている部分にできた傷は、新しい層によって覆われ、消えていってしまうからである。木口をみれば、バーズアイは車輪を支えるスポークのように放射状に現れ、外側に行くほど大きくなっている。また、バーズアイは発芽しなかった芽の痕跡であるとする説もあるが、もしこの説が正しいとしたら、バーズアイの目の中心に黒っぽい芯がみられるはずだし、形も外側に尖っていなくてはならない。しかし、実際には芯など無いし、形も内側に向かって尖った円錐状の突起として存在しているのである。
 このような推測がなされていく中で、科学者たちも体系的にバーズアイの謎を解く手がかりを探し始めた。まず、彼らはバーズアイの丸太の特徴として、かすれや芯腐れが多いことに着目した。このような特徴を持つ木は同じ樹齢の木が密生している一画によく見られ、病気であったり痛んでいたりする場合が多い。また別の調査によれば、バーズアイメープルは直径18インチまで育つのに、通常の広い間隔でまっすぐに育ったメープルに比べて60年も長くかかるそうである。
 ともかく、バーズアイの現れるメープルでは中心部の年輪の間隔が通常よりも狭いという事実があり、このことは木がまだ若い頃に乏しい光線の奪い合いを強いられたためであると推測されるのである。結局、現在に至るまで、バーズアイが形成される直接の原因を特定することはできないが、木が成長していく過程において加えられる何らかの抑圧がそれに深くかかわっているという推論は間違いないだろう。
 最新の研究によれば、バーズアイはある種のウイルスの作用によるものであるとする説が、他のどんな仮説よりも適当であろうという報告がなされている。しかしながら、現在に至るまで、彼らの長年にわたる地道な努力も結論を導くまでには至っていない。自然はその神秘を上手に守り続けているのである。

 

  
 

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